文学家

相田みつを

  • 私がこの世に生れてきたのは 私でなければできない仕事が 何かひとつこの世にあるからなのだ
  • トマトにねぇ いくら肥料をやったってさ メロンにはならねんだなあ
  • なんでもいいからさ 本気でやってごらん 本気でやれば たのしいから 本気でやれば つかれないから つかれても つかれが さわやかだから
  • 強がりなんかいうことないよ やせがまんなどすることないよ だれにえんりょがいるもんか 声をかぎりに泣くがいい ただひたすらに泣けばいい
  • つまづいたっていいじゃないか にんげんだもの
  • そのときの出会いが 人生を根底から変えることがある
  • 外灯というのは 人のために つけるんだよな わたしはどれだけ 外灯を つけられるだろうか
  • 歩くから道になる 歩かなければ草が生える
  • 美しい花を見た 美しい花は美しい枝についている 美しい枝は美しい幹についている 美しい幹は美しい根っこが ささえているにちがいない
  • 風雪に耐えただけ 土の中に根が張るんだな
  • 雨の日には雨の中を 風の日には風の中を
  • なやみは つきねんだなあ 生きているんだもの
  • あんなにしてやったのに 「のに」がつくとぐちがでる
  • しんじつだけが魂をうつ
  • やれなかった やらなかった どっちかな
  • 悲しいときは全身で悲しみ 嬉しいときには手放しで喜ぶ そういう人間で私はありたい
  • そのままでいいがな
  • あたらしい門出をする者には 新しい道がひらける
  • 感動いっぱい、感激いっぱいのいのちを生きたい
  • あなたの心がきれいだから なんでもきれいに見えるんだなあ
  • 名もない草も実をつける いのちいっぱいの花を咲かせて
  • 澄んだ眼の底にある 深い憂いのわかる人間になろう 重い悲しみの見える眼を持とう
  • わたしは、人間のほんとうの幸せとは「充実感のある生き方」だと思っています。
  • 柔道の基本は受身 受身とはころぶ練習 負ける練習 人の前で恥をさらす練習
  • 弱きもの人間 欲ふかきものにんげん 偽り多きものにんげん そして人間のわたし
  • 待ってもむだな ことがある 待ってもだめな こともある 待ってむなしき ことばかり それでもわたしは じっと待つ
  • しあわせはいつも じぶんのこころがきめる
  • 一生勉強 一生青春
  • だれにだってあるんだよ ひとにはいえないくるしみが だれにだってあるんだよ ひとにはいえないかなしみが ただだまっているだけなんだよ いえば ぐちになるから
  • あなたがそこにただいるだけで、その場の空気が明るくなる。あなたがそこにただいるだけで、みんなの心がやすらぐ。そんなあなたに私もなりたい。
  • 受身が身につけば達人 まけることの尊さがわかるから
  • 与えられた今日のいのちをイキイキはつらつと生きる。それが仏様の教えだと私は受け止めております。
  • 背のびする自分 卑下する自分 どっちもいやだけど どっちも自分
  • あのときの あの苦しみも あのときの あの悲しみも みんな肥料になったんだなあ じぶんが自分になるための
  • 毎日毎日の足跡が おのずから人生の答えを出す きれいな足跡には きれいな水がたまる
  • やり直しのきかない人生 待った無しの命
  • 人生において 最も大切な時 それはいつでも いまです
  • 毎日少しずつ それがなかなかできねんだなあ
  • うつくしいものを 美しいと思える あなたの心が 美しい
  • これでいいということはないが これが今の私の精一杯の姿です
  • そのうち そのうち べんかいしながら日がくれる
  • ビリがいるから1位がいる
  • セトモノとセトモノとぶつかりっこすると すぐこわれちゃう どっちかがやわらかければだいじょうぶ やわらかいこころを持ちましょう
  • 私の、このヘタな文字、つたない文章も、見てくれる人のおかげで書かせていただけるんです。「おかげさんで」でないものは、この世に一つもありません。みんな「おかげさんで」で成り立っているんです。
  • いいですか いくらのろくてもかまいませんよ たいせつなことは いつでも前をむいて 自分の道を歩くことですよ
  • 花を支える枝 枝を支える幹 幹を支える根 根は見えねんだなあ
  • 水にぬれなければ およげませんよ
  • おまえさんな いま一体何が一番欲しい あれもこれもじゃだめだよ いのちがけでほしいものを ただ一ツに的をしぼって言ってみな
  • 渦巻いて 濁らない 滝つぼの水
  • 親切と言う名のおせっかい そっとしておくおもいやり
  • あのねぇ 自分にエンジンをかけるのは 自分自身だからね
  • 男が仕事をする時は 常に捨身でなければだめである 捨身とは何も欲しがらぬことである 勝ち負けを捨てることである
  • 七転八倒 つまづいたり ころんだりするほうが 自然なんだな 人間だもの
  • 負ける人のおかげで 勝てるんだよな
  • 使ったところが強くなる 頭でもからだでも その反対 使わぬところは
  • いいことはおかげさま わるいことは身から出たさび
  • 土の中の水道管 高いビルの下の下水 大事なものは表に出ない
  • 自分の心のどん底が納得しているかどうか そこが大事
  • にんげんはねぇ 人から点数をつけられるために この世に生まれてきたのではないんだよ にんげんがさき 点数があと
  • 夢はでっかく 根はふかく
  • あなたにめぐり逢えて ほんとうによかった 生きていてよかった 生かされてきてよかった あなたにめぐり逢えたから つまづいてもいい ころんでもいい これから先 どんなことがあってもいい あなたにめぐり逢えたから ひとりでもいい こころから そういって くれる人が あれば
  • どのような道を歩くとも いのちいっぱいに 生きればいいぞ
  • 善悪、大小、かねの有る無し、社会的な地位の上下などという、人間の作った相対的な価値観を一切やめてみることです。
  • あとじゃできねんだよなあ いまのことは いましかできぬ
  • かねが人生のすべてではないが 有れば便利 無いと不便です 便利のほうがいいなあ
  • うばい合うと 足らないけれど わけ合うと あまっちゃうんだなあ
  • だれうらむことはない 身から出たさびだなあ
  • かんがえてばかりいると 日がくれちゃうよ
  • とにかく具体的に動いてごらん 具体的に動けば 具体的な答が出るから
  • 他人のものさし 自分のものさし それぞれ寸法がちがうんだな
  • その根っこは見えない その見えないところに大事な点がある
  • ぐちをこぼしたっていいがな 弱音を吐いたっていいがな 人間だもの たまには涙をみせたっていいがな 生きているんだもの
  • その人の前に出ると 絶対にうそが言えない そういう人を持つといい
  • 身からでたサビだなあ 身に覚えがあるよ
  • 無理をしないで なまけない私は 弱い人間だから
  • いくら多くの人に読まれても、ただ読まれるだけじゃ意味が無い。たった一人でいいから、その人のこころに深く届けば、それでいいんだよ。
  • わたしは無駄にこの世に 生れてきたのではない また人間として生れてきたからには 無駄にこの世を過ごしたくはない

浅田次郎

  • 道楽とは、自分の好きなことをして、なおかつ消費すること。カネを使うことだ。道楽できっちりカネを使い果たして、そして死ぬ。それがハッピーリタイアメントへの近道である。
  • 一生懸命に働いて、天下りをしてまでカネを稼いでどうするのか。子供に財産を残してもロクなことにはならない。美田を残された子供は大体失敗する。資産というのはゼロから築き上げるのが本物で、美田を残すのはかえって子孫の力を削ぐことになる。
  • 仕事は一生懸命やるものだ。だが、人生それだけでは寂しい。休みのときは何もかも忘れて、ブチ切れて、人格が変わるぐらいの道楽をしないといけない。
  • 私の一番の幸福は脱稿の「了」の字を書いたとき。決して出版社からカネが振り込まれたときではない。ナルシストのせいだろうか、自分の本を読み返して笑ったり、誰が書いたんだよなどとひとりごちてみたりするのも、最高に幸せである。もっとも私のリタイアメントは当分先のこと。書くことは最大の道楽。まだまだ書き続けていきたい。
  • 人間は不景気になるとモノを考えるようになる。これまでイケイケドンドンで何も変えてこなかったツケがいま回ってきて、「天下りはおかしいんじゃないか」「憲法もおかしいんじゃないか」という議論が出てきた。「仕事バカ」という人生についてもきちんとモノを考えてみれば、その寂しさに気づけるはずだ。
  • 不景気というのは案外、ありがたいものである。景気がいいときは「この好景気は何のせいだ!」とは誰も言わない。不景気だから「誰のせいだ?」と深く考える。日本社会には、いままで「いいや、いいや」で済ませてきたあやふやな部分がたくさんある。そうした矛盾に皆が気付き始めたのだろう。
  • 不景気でジタバタするのは、甘やかされて育った人間だ。職がないなどと悲観的な論調が強いが、自分勝手な思い込みであることも多いのではないか。私が若かったころ、選べるほど仕事はなかった。実家は商家だったから、中学を卒業したばかりの若者を集団就職で何人もとった。無休で、休みは日曜日と盆と正月だけ。若い衆はいつも三畳一間に5、6人で暮らしていた。住み込みで飯は食わせてやる。給料がない代わりに、仕事を覚えさせてやるという奉公の時代である。私自身も貧苦に耐えた。9歳のとき家業が没落し、父母は失踪、離婚。あばら家で祖父と暮らすことになった。

夏目漱石

  • 人間の目的は、生まれた本人が、本人自身につくったものでなければならない。
  • 乗り切るも、たおれるのも、ことごとく自力のもたらす結果である。
  • おれの進むべき道があった!ようやく掘り当てた!こういう感投詞を心の底から叫び出される時、あなたがたははじめて心を安んずることができるでしょう。
  • 僕は十年計画で敵をたおすつもりだったが、近年これほど短気なことはないと思って百年計画にあらためました。百年計画なら大丈夫誰が出て来ても負けません。
  • その一人の人は、人間全体を代表していると同時に、その人一人を代表している。
  • 私は常からこう考えています。第一に貴方がたは自分の個性が発展できるような場所に尻を落ち付けべく、自分のぴたりと合った仕事を発見するまで邁進しなければ一生の不幸であると。
  • 古い道徳を破壊することは、新しい道徳を建立する時にだけ、許されるです。
  • あなたが今まく種はやがて、あなたの未来となって現れる。
  • あせってはいけません。ただ、牛のように、図々しく進んで行くのが大事です。
  • のんきと見える人々も、心の底をたたいてみると、どこか悲しい音がする
  • みだりに過去に執着するなかれ、いたずらに将来に望を属するなかれ、渾身の力を込めて現在に働けというのが、私の主義なのである。
  • 人間はね、自分が困らない程度内で、なるべく人に親切にしてみたいものだ。
  • 恐れてはいけません。暗いものを凝って見詰めて、その中から貴方の参考になるものをおつかみなさい。
  • あせってはいけません。頭を悪くしてはいけません。根気ずくでおいでなさい。世の中は根気の前に頭を下げる事を知っていますか。花火の前には一瞬の記憶しか与えてくれません。うんうん死ぬまで押すのです。それだけです。
  • 君、弱い事を言ってはいけない。僕も弱い男だが、弱いなりに死ぬまでやるのである。
  • 前後を切断せよ、満身の力をこめて現在に働け。
  • 職業というものは要するに、人のためにするものだということに、どうしても根本義を置かなければなりません。人のためにする結果が己のためになるのだから、元はどうしても他人本位である。すでに他人本位であるからには種類の選択分量の多少すべて、他を目安にして働かなければならない。
  • 自由な書を読み、自由な事を言ひ、自由な事を書かんことを希望いたし喉。
  • 死ぬまで進歩するつもりでやればいいではないか。作に対したら一生懸命に自分のあらんかぎりの力をつくしてやればいいではないか。後悔は結構だが、これは自己の芸術的良心に対しての話で、世間の批評家やなにかに対して後悔する必要はあるまい。
  • 人間は自分の力も自分で試してみないうちは分かりません。握力などは一分でためすことができるが、自分の忍耐力や文学上の力や強情の度合などは、やれるだけやってみないと、自分で自分に見当のつかないものなのです。

フリードリヒ・ヴィルヘルム・ニーチェ

  • 男が本当に好きなものは二つ。危険と遊びである。そしてまた、男は女を愛するが、それは遊びのなかで最も危険なものであるからだ。
  • 復讐と恋愛においては、女は男よりも野蛮である。
  • 一切の書かれたもののうち、 私はただその人がその血をもって書いたものだけを愛する。
  • 怒っても殺せないときは、笑えば殺すことができる。
  • あとからくる世代は、過ぎ去った一切を、自分のところに導く橋と解釈する。
  • 人間は神の失敗作に過ぎないのか、それとも神こそ人間の失敗作にすぎぬのか
  • 笑いとは、地球上で一番苦しんでいる動物が発明したものである。
  • 孤独を味わうことで、人は自分に厳しく、他人に優しくなれる。いずれにせよ、人格が磨かれる。
  • もし君が悩む友を持っているなら、君は彼の悩みに対して安息の場所となれ。だが、いうならば、堅い寝床、戦陣用の寝床となれ。そうであってこそ君は彼に最も役立つものとなるだろう。
  • 自己侮蔑という男子の病気には、賢い女に愛されるのがもっとも確実な療法である。
  • 悪意というものは、他人の苦痛自体を目的とするものにあらずして、われわれ自身の享楽を目的とする。
  • 善にも強ければ、悪にも強いというのが、いちばん強力な性格である。
  • 恋愛から結ばれる、いわゆる恋愛結婚は、誤謬をその父とし、必要をその母とする。
  • 論争に応ずる場合には、双方にとっていちばん不愉快なやり口は、立腹して黙っていることである。というのは、攻撃者側は、一般的に沈黙を軽蔑のしるしと考えるからである。
  • 霊魂は肉体が衰え、いまわしくなり、飢えることを欲した。こうして肉体と地から脱れようと思った。哀れ、その霊魂こそ痩せ、いまわしくなり、飢えたのだ。
  • 友たるものは、推察と沈黙に熟達した者でなければならない。
  • 勇気…攻撃する勇気は最善の殺戮者だ、死をも殺戮する。
  • 毎日少なくとも一回、何か小さなことを断念しなければ、毎日は下手に使われ、翌日も駄目になるおそれがある。
  • 本をめくることばかりしている学者は…ついにはものを考える能力をまったく喪失する。本をめくらないときには考えない。
  • 母親は息子の友人が成功すると嫉む。母親は息子よりも息子の中の自分を愛しているのである。
  • 武装平和とは、自国と隣国を信頼せず、半ば憎悪、半ば恐怖から武器を放棄しかねる意向上の不和である。
  • 悲観をその基盤とし、不幸と悲哀を善とするこの道徳…この善悪の価値表は、速やかに破り捨てなければならない。
  • 日常生活で、人々がおおむね正直なことを言うのはなぜか。神様が嘘をつくことを禁じたからではない。それは第一に、嘘をつかないほうが気楽だからである。
  • 汝が平和を求めるならば、それは新しい戦いの準備としてのそれでなければならない。永い平和よりも短い平和を求めよ。
  • 南国の勤勉は営利欲ではなく、他人に絶えず必要とされるからである。食わんがためだけなら勤勉は不必要である。北国のそれは、その反対である。
  • 道徳的理想の勝利は、他のいずれの勝利と同じく、「非道徳的」手段によって、つまり暴力・虚言・誹謗・不正によってえられる。
  • 哲学者とはなにか。つねに尋常でない事物を経験し、見聞し、猜疑し、希望し、夢見る人間だ。
  • 地球は皮膚をもっている。そしてその皮膚はさまざまな病気を持っている。その病気のひとつが人間である。
  • キリスト教徒はただひとりしかいなかった。そして、その人は十字架の上で死んだ。この瞬間、以後<福音>と呼ばれているものは、すでに彼が生きてきたものの正反対、すなわち<禍音>であった。
  • われわれのうちで、最も勇気のある者でさえ、自分が本当に知っていることに対する勇気を持つのは稀なことにすぎない。
  • われわれが不意にある事柄について問われた場合に思いつく最初の意見は、一般にわれわれの意見ではなく、われわれの階級・地位・素性につきもののきまり文句にすぎない。
  • よい格言は、時の歯がたつには堅すぎる。そして、いかなる時代にも栄養のたしになるのに、幾千年の歳月にも食いつくされはしない。
  • ものの始めを採すことで、人間は蟹になる。歴史家は後ろ向きにものをみる。ついには後ろ向きに信ずるようになる。
  • みずから敵の間へ踊りこんでいくのは、臆病の証拠であるかもしれない。
  • ほかの人に懺悔してしまうと、当人は自己の罪は忘れるが、たいてい相手の人はそれを忘れない。
  • ひとは女を深いと思う。なぜか? 女の場合、底まで行けないからだ。女は浅くさえもないのだ。
  • なんじの敵には軽蔑すべき敵を選ぶな。なんじの敵について誇りを感じなければならない。
  • どちらも相手をとおして自分個人の目標をなにか達成しようとするような夫婦関係はうまくいく。例えば、妻が夫によって有名になろうとし、夫が妻をとおして愛されようとするような場合である。
  • たいていの男たちは、誰も彼らの妻をかっさらってくれないことを嘆く。
  • お前たち高名なるすべての賢者よ、お前たちは、民衆と民衆の迷信に奉仕してきたし、真理には仕えなかった! そして、それゆえにこそ、人はお前たちに畏敬を払った。
  • いちばん危険な党員とは、その人間が脱党したら党派全体が瓦解するような人である。だから最良の党員である。
  • ある巨匠の作品を演奏するピアニストが、その巨匠を忘れさせて、まるで自分の生涯の物語を語っているとか、まさになにか体験しているふうにみえたとき、最もうまく弾いたことになろう。
  • あらゆる人間は、いかなる時代におけるのと同じく、現在でも奴隷と自由人に分かれる。自分の一日の三分の二を自己のために持っていない者は奴隷である。
  • あらゆる種類の確信に拘束されない自由さは、懐疑家の意思の強さに屈している。信念を欲すること、肯定においても否定においても、無条件なものを欲することは、弱さの証拠である。
  • あなたがたの実力以上に有徳であろうとするな。できそうもないことをおのれに要求するな。
  • 「女は誰をいちばん憎むか」鉄が磁石に問うた。「私はお前をいちばん憎む。なぜなら、お前は牽くことをなし、しかも、お前のもとへ牽きよせる十分の力をもたないからである。」
  • 善にも強ければ、悪にも強いというのが、いちばん強力な性格である。
  • 男の幸福は「われ欲する」ということであり、女の幸福は「彼欲する」ということである。s
  • 男たちは、自分の職業が他のいかなる職業よりも大切だと信ずるか、自分で思い込ませる以外に、その職業を持ちこたえることはまずできない。
  • 脱皮できない蛇は滅びる。意見を脱皮していくことをさまたげられた精神も同じことである。それは精神であることをやめる。
  • 多く考える人は党員には向かない。というのは、党派などを突き抜けて考えてしまうからである。
  • 多くの人間は、その記憶があまりにもよいという唯一の理由から思索者になれない。
  • 多くのつかのまの愚行それを諸君は愛という。そして諸君の結婚は、一つの長期間にわたる愚行として、多くのつかのまの愚行に終止符を打つ。
  • 善悪において一個の創造者となろうとする者は、まず破壊者でなければならない。そして、いっさいの価値を粉砕せねばならない。
  • 善とはなにか…人間において権力の感情と権力を欲する意志を高揚するすべてのもの。悪とはなにか…弱さから生ずるすべてのものである。
  • 戦争を非難していえば、戦争は勝者を愚かにし、敗者を邪悪にする。戦争を弁解していえば、さきに述べた二つの作用のいずれの場合でも野蛮にさせ、それによってより自然的にならしめる。
  • 生きるとはなんのことか…生きるとは…死にかけているようものを、絶えず自分から突き放していくことである。
  • 正義は支払い能力のない者を大目に見のがすことをもって終わる。…正義のこの自己止揚、それがどんな美名で呼ばれているかを知っているか…いわく恩恵。それはいうまでもなく、最も強大な特権である。
  • 正義とは、ほぼ同等の力の状態を前提とする報償との交換だ。
  • 世論とともに考えるような人は、すべて自分で目かくしをし、自分の耳にせんをしている。
  • 人間は深淵に架けられた一条の綱である。渡るも危険、途上にあるも危険、うしろをふりかえるも危険、身ぶるいして立ちとどまるのも危険。人間において偉大な点は、それが橋であって目的でないことだ。人間において愛されうる点は、それが過渡であり、没落であることだ。
  • 人間は行動を約束することはできるが、感情は約束できない。思うに、感情は気まぐれだからである。
  • 人間が神のしくじりにすぎないのか、神が人間のしくじりにすぎないのか。
  • 新聞の強味は、そこで働くひとりひとりが全然、義務も束縛も感じないところにある。
  • 女のもとへ赴こうとするならば鞭を忘れるな。
  • 宗教は間接的にも直接的にも、教義としても比喩としても、いまだかつてひとつの真理を含んだことはない。というのは、どんな宗教も不安と欲求から生まれたものであるからである。
  • 自己の思想を氷の上へおくことを心得ていたい人は、論争の熱の中へ身を投じてはいけない。

ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ

  • 人間の魂は、つねに耕される田畑のようなものである。よその国から種を取り寄せ、それを選抜し、蒔くのに時をかける注意深い園芸家であるのは屈辱的なことであろうか。種子を手に入れ、選抜することが、そんなに早くできるものであろうか。
  • 王様であろうと、百姓であろうと、自己の家庭で平和を見出す者が、いちばん幸福な人間である。
  • 立法者にしろ、革命家にしろ、平等と自由を同時に約束する者は空想家でなければ山師である。
  • 古の城楼の上に高く、英雄の気高き霊は立つ。
  • 言論の自由を呼号するのは、それを濫用しようとする人間のみである。
  • 現在は魅力ある女神なり。
  • 賢者にまるで過ちがなかったとしたら、愚か者はまったく絶望するほかはないだろう。
  • 賢い人々はつねに最高の百科全書である。
  • 検閲を用い、要求するのは権力者であり、言論の自由を求めるのは身分の低い人たちである。
  • 結婚生活はすべての文化の始めであり、頂上である。それは乱暴者をおだやかにするし、教養の高い者にとっては、その温情を証明する最上の機会である。
  • 空気と光と友人の愛。これだけ残っていれば、気を落とすことはない。
  • 愚者と賢者はともに害がない。半分の愚者と半分の賢者だけが、いちばん危険である。
  • 苦しみが残していったものを味わえ!苦難も過ぎてしまえば甘美だ。
  • 義務の重荷からわれわれを解放することのできるのは、良心的な実行のみである。
  • 学問と芸術を持っている者は、同時に宗教をも持っている。学問と芸術を持たない者は、宗教を持て!
  • 科学は全体としてつねに人生から離れる、ただ迂路をたどって再びそこへ還ってくる。
  • 悦びには悩みが、悩みには悦びがなければならない。
  • 意志の力で成功しない時には好機の到来を待つほかない。
  • 愛人の欠点を美点と思わないほどの人間は、愛しているのではない。
  • 愛よ、お前こそはまことの生命の冠、休みなき幸。
  • あらゆる階級を通じて、目立って気高い人は誰か。どんな長所を持っていても、つねに心の平衡を失わない人だ。
  • 初恋が唯一の恋愛だ、といわれるのは至言である。というのは、第二の恋愛では、また第二の恋愛によって、恋愛の最高の意味が失われるからである。
  • 若い娘が学ぶことを、若い男が教えることを、愛する場合に結ばれる青春時代の友情は、ひとつの美しいことがらである。
  • 自由も生活も、これをかちとろうとする者は、日ごとに新しく闘いとらねばならない。
  • 自由でないのに、自由であると考えている人間ほど奴隷になっている。
  • 自分自身を知るのは楽しんでいる時か悩んでいる時だけだ。
  • 自分の知っていることは自慢し、知らないことに対しては高慢にかまえる者が少なくない。
  • 自然は絶えずわれわれと語るが、その秘密を打ち明けはしない。われわれはつねに自然に働きかけ、しかも、それを支配するなんらの力もない。
  • 時を短くするのはなにか。活動。時を堪えがたく永くするのは何か。安逸。
  • 詩とは成熟した自然であり、哲学とは成熟した理性である。
  • 蚕はつむぎながら、だんだん死に近づくとしても、糸をつむがずにはおられましょうか。
  • 天才も不滅ではないということほど、凡人にとって慰めになることはない。
  • あらゆるものが一個の全体を織り成している。ひとつひとつが互いに生きて働いている。
  • 道徳の時期は四季と同じく移り変わる。
  • 人間は地上で楽しむためには、わずかの土くれがあればいいのだ。地下で休むためにはさらにわずかの土くれがあればいいのだ。
  • 身分不相応の生活をする者は馬脚を現わす。
  • 実際の道徳の世界は、大半が悪意と嫉妬から成り立っている。
  • 才能はひとりでに培われ、性格は世の荒波にもまれてつくられる。
  • 人間は現在がすこぶる価値のあることを知らない、…ただ、なんとなく未来のよりよい日を願望し、いたずらに過去と連れ立って嬌態を演じている。
  • 人間はその狭い本性の中に愛と憎しみという二重の感情を必要とする。人間は昼と同じく、夜を必要としないだろうか。
  • 人間の最大の価値は、人間が外界の事情にできるだけ左右されずに、これをできるだけ左右するところにある。
  • 人は努力している間は迷うに極まったものである。
  • 人に欺かれるのではけっしてない、自分で己れを欺くのである。
  • 人が好んで党派にくみするようになるのは、たとえ安息はなくとも、安心と安全が見出されるからである。
  • 神と自然から離れて行動することは困難であり、危険でもある。なぜなら、われわれは自然をとおしてのみ神を認識するのだから。
  • 新聞を読まなくなってから、私は心がのびのびし、実に気持ちがよいです。人々は他人のすることばかり気にかけて、自分の手近の義務を忘れがちです。
  • 信仰は、見えざるものへの愛、不可能なもの、ありそうにないものへの信頼である。
  • 女というものは、その本分どおり早くから仕えることを習うのがよいのです。仕えることによって、やがてはじめて治めることが、また家の中で分相応の力をもつことができるようになります。
  • 地上の子の最高の幸福は人格である。
  • 知恵の最後の結論は、こうだ、およそ生活でも、自由でも日々にこれをかちえて、初めてこれを享有する資格がある。
  • 男子は、婦人の占めうる最高の地位に婦人を置こうとしております。家庭の支配よりも高い地位がほかにありますか。
  • 幼児を抱いた母親ほど見る目に清らかなものはなく、多くの子に取り囲まれた母親ほど敬愛を感じさせるものはない。
  • 迷信は能力的な、巨大な前進的性格の遺産であるが、不信仰は弱者の、卑怯者の後退し、束縛せられた連中の所有物である。
  • 翻訳者とは、半分しか姿を見せていない美人を愛嬌たっぷりと、われわれに向ってほめそやす仕事熱心なたいこもちである。
  • 僕はどうやらこの世における一個の旅人、一介の遍路にすぎないようだ!君たちとてそれ以上のものだろうか。
  • 平和は人類最高の理想である。
  • 批判のできない本からしか、真に学びとるものはない。批評しうるような本は、われわれから学ぶべきである。
  • 卑怯者は、安全なときだけ威たけ高になる。
  • 人生は愚者には困難に見えるとき賢者には容易に見え、愚者に容易に見えるとき賢者には困難に見える。
  • 人間らしく幸福にするために、愛は気高いふたりを寄りそわせる。しかし、神のような歓びを与えるためには、愛は貴重な三人組をつくる。
  • 三千年の歴史から学ぶことを知らぬ者は、知ることもなく、闇の中にいよ、その日その日を生きるとも。
  • 国を鉄床にたとえよう。ハンマーは支配者、打ちまげられる鉄板は民衆。勝手気ままなめくら打ちに、いつまで経っても金が出来上がらねば鉄板こそ迷惑だ。
  • 行動する者は、つねに没良心である。省察する者以外、誰にも良心がない。
  • 多数というものより気にさわるものはない。なぜなら、多数を構成しているものは、少数の有力な先導者のほかには、大勢に順応するならず者と、同化される弱者と、自分の欲することすらわからずに従ってくる民衆とであるからだ。
  • 憎しみは積極的な不満で、嫉妬は消極的な不満である。したがって、嫉妬がすぐに憎しみに変わっても怪しむに足りない。
  • 専制政治が廃止されるや否や、貴族生活と民主政治との葛藤がはじまる。
  • 生の歓びは大きいけれども、自覚ある生の歓びはさらに大きい。
  • 世の中のことはなんでも我慢できるが、幸福な日の連続だけは我慢できない。
  • フランス人が礼儀と称するものは、優雅にまでやわらげられた高慢である。
  • キリスト教は計画的な政治革命であったが、それに失敗してからは道義的なものになった。
  • われわれの本性は怠惰へ傾いている。だが、われわれは活動へと心をはげます限り、その活動に真の悦びを感ずる。
  • われわれの持っている天性で、徳となりえない欠点はなく、欠点となりえない徳もない。
  • われわれが理解しないことは制御しがたい。
  • まだ日が暮れない、働けよ、あくことなく。そのうちに誰も働くことのできない死が来る。
  • なぜ、このように悪口が絶えないのか。人々は他人のちょっとした功績でも認めると、自分の品位が下がるように思っている。
  • つねによい目的を見失わずに努力をつづける限り、最後には必ず救われる。
  • ただわれわれの曖昧で散漫な教育が人間を不確かなものにするのだ。
  • すべての法律は老人と男によってつくられている。若い人と女は例外を欲し、老いた人は規則を欲する。
  • お前のほんとうの腹底から出たものでなければ、人を心から動かすことは断じてできない。
  • およそ哲学というものは、常識をわかりにくいことばで表現したものにすぎない。

武者小路実篤

  • わが行く道に茨多し されど生命の道は一つ この外に道なし この道を行く
  • 何にも特色がなくても正直に働く人は、それは新しい世界の基礎になる。
  • 結婚するのも幸せだし、結婚しないのも幸せだ。どっちにも人間としての喜びがある。
  • 結婚は早すぎてもいけないし、おそすぎてもいけない、無理が一番いけない、自然がいい。
  • 死の恐怖を味あふことは、その人がまだ生きてしなければならない仕事をしていたいからだ。
  • 死滅しないものとは何か。自然であり、美である。
  • 自分は俗衆に理解された時、芸術は使命を果たし、同時に価値を失ふものと思つてゐる。
  • 人間は神がつくったということは僕は信じられない。神がつくったものとしては人間は無常すぎ、不完全すぎる。しかし自然が生んだとしたら、あまりに傑作すぎるように思うのだ。
  • 人生にとつて健康は目的ではない。しかし最初の条件なのである。
  • 生まれけり、死ぬるまで生くるなり。
  • 馬鹿な者は独身の間は結婚した時のよろこびを空想し、結婚すると独身時のよろこびを空想する。
  • 風流には嫉妬はない、利己的なものはない、没我的であり、非人工的なものである。
  • 友情の価値は両方が独立性を傷つけずにつきあえるという点にあるのだ。

モリエール

  • 愛はしばしば結婚の果実である。
  • 議論は議論から道理を追っ払う。
  • 私は素直な悪よりも頑固な善を好む。
  • 雌鳥は雄鶏より先に唄ってはいけないものだ。
  • 女は、せいぜい胴衣とズボンの見分けがつくくらい頭が進歩していりゃたくさんさ。
  • 人々がどんなことを言おうとも、女の最大の野心は愛を吹き込むことだと信じている。
  • 人々は、たいがい無我夢中に急いで結婚するから一生悔いることになる。
  • 人間たちが罪を持ち込むことができぬほどに無垢なものは存在しない。
  • 物知りの馬鹿は、無学の馬鹿よりもお馬鹿さんですよ。
  • 文学…文体の共和政体である。
  • 政治なら心得てます。知っていることも知らぬふり、知らぬことも知っているふり、聞こえることも聞こえぬふり、何でもないことを重大な秘密のように隠し、探偵を放ち、要人を養い、目的を口実に手段の卑しさを高尚に見せかけること。これが、政治なのでございます。

ヴァレリー

  • かつて国家に対して怒りの念をいだかなかったような党派はなかった。
  • すべての政治は利害関係を持つ人間の大半の無関心に基礎をおいている。
  • 一日のうちに感じられ、かつ表現される愛情の分量には限度がある。
  • 芸術という演劇の中で、自然は千の仮面のもとに現われる登場人物である。
  • 魂を肉体から分離させるものは、生であって死ではない。
  • 思考は極端なるものによってのみ進むが、しかし中庸なるものによってのみ存続する。
  • 自由の木は専制の血を与えられたときにのみ育つ。
  • 人が愛したことのない…けっして愛しそうもない人々に対しては真の憎しみはありえない。憎まれるに値しないような人に対しては極端な愛はけっして生まれない。
  • 人間の姿態を対象とする芸術家にとって、裸体は作家や詩人たちの場合における恋愛のようなものである。
  • 世の中には創造する天才があるように、探す天才もあり、書く天才があるように、読む天才もある。
  • 選挙と免状こそ、われわれの社会における最大のガンで髪。
  • 風立ちぬ!いざ生きめやも。
  • 文学は興味・教訓、それに説教とか宣伝、自分のための修練、他への刺激との間を往来する。
  • 平和とは、貧欲に対抗する力の潜在的な暗黙裡の道徳的勝利である。
  • 欲望と渇望の対象としての女性、道具であり、かつ装飾である女性、快楽と生殖の器具である女性。

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作成日:2016年03月26日
更新日:2016年03月27日
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